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Table 4 Set up condition of 'basic part' and 'mobile part'

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Table 4はマルチパスの影響を避け得る、海底からの送受波器の距離と、データ伝送用音響モデムの伝送速度を10kbpsとした場合の実質伝送速度である。海底から離れるにしたがいデータ伝送の効率は上がるが、実際の設置においてはコストと時間の増加が見込まれる。
6. まとめ
本文では、多目的モニタネットワークの一部である臨時観測システムの一部としての基幹部、移動体について述べた。
本来は基幹部、移動体共に使用する送受波器の指向性は無く、互いの送受波器の設置方向が自由であることが望ましいが、消費電力、製作コストの制限から実現は難しい。この点から、今後の課題として基幹部の送受波器の指向性による指向角の方向に移動体を設置する方法が挙げられる。これは基幹部の送受波器に方位計を取り付けることによって、送受波器の方向を知り、移動体を基幹部の通信可能な範囲に設置する等の方法がある。また、基幹部、移動体の送受波器の方向を安定に維持するための機構、電子回路の省電力化等も必要になる。
本研究は、平成7年度より開始された第1期において、平成8年度に単体装置の浅海機能試験、平成9年度に実海域ヘの設置および試験的観測を行う。第2期として、平成10、11年度の2年間で観測点をさらに2ヶ所増やして、合計3ヶ所で総合観測を行う予定である。
<参考文献>
1)沖村、笠原他: 平成6年度海底ケーブルシステムを用いた多目的地球環境モニターネットワーク開発に関する調査(科学技術庁研究開発局)
2)Uric.R.J.著 土屋 明 訳: 水中音響の原理(共立出版)
3)山内雪路 著: スペクトラム拡散通信(東京電機大学出版局)

 

 

 

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